仕事にもレジャーにも大人気の箱バン。国産の箱バンの購入を考える時にまず思い浮かぶ車は何でしょうか?
街中でよく見かけて、新車中古車ともに大変人気のある車といえば「ハイエース」でしょう。
一方、同じようなカタチだけどトヨタマークではない車も見かけたことがありませんか?それが、日産の「キャラバン」なんです。
実は価格も同じくらいの車両同士なのですが、実際にはどちらを選べば良いのでしょうか?
今回は、そんな2台の箱バンの違いなどを紹介します。
ハイエースとキャラバンの外寸と内寸の違い
バンを選ぶ時、大切なのは車の大きさですよね。特に車内の広さは荷物の積載量にも関わるので重要です。外寸と内寸に分けてそれぞれご紹介しましょう。
外寸の違い
ハイエース、キャラバンそれぞれに売れ筋モデルで比べてみた比較になります。
ハイエースはスーパーGLのロングボディ、キャラバンはプレミアムGXのロングボディで見てみましょう。
- ハイエース:全長4695mm×全幅1695mm×全高1980mm
- キャラバン:全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mm
見比べていただければ分かりますが、「ほぼ一緒」ですね。
高さが10mmだけキャラバンの方が高いので、ガレージにギリギリ入るか入らないかの場合には決め手になるかも知れませんが、通常は気にする必要のない差でしょう。
それよりも、地上から床までの高さが5mmだけハイエースの方が低く作られていますので、荷物の積み下ろしが少し楽になるかも知れませんね。
荷室内寸の違い
それでは同様に、荷室内寸のデータもご覧ください。
- ハイエース:荷室長3000mm×荷室幅1520mm×荷室高1320mm
- キャラバン:荷室長3050mm×荷室幅1520mm×荷室高1325mm
以上のようなデータです。
こちらもやはりほぼ同じなのですが、キャラバンの方が50mmも荷室長が長くなっています。
長尺物を積載するときなど、「あと少し荷室が長ければ・・・」という時にはキャラバンの方が優位ですね。
また、初めから商用で使う場合に、普段から積み込む物の長さによってはキャラバンでしか収まらない場合もあるかも知れません。
商用バンの最も大切な要素といっても過言ではないので、しっかりと荷室の広さは抑えておきましょう。
ハイエースのサイズについては「ハイエースの大きさまとめ。全長、全幅、全高をご紹介」で解説しています。
ハイエースとキャラバンの動力性能の違い
それでは、荷物を積んでの快適な走行には欠かせないエンジンスペックも見ていきましょう。
ガソリンエンジン
- ハイエース2ℓエンジン車両:98kW(133ps),182N・m(18.6kgf・m)
- ハイエース2.7ℓエンジン車両:111kW(151ps),241N・m(24.6kgf・m)
- キャラバン2.5ℓエンジン車両:108kW(147ps),213N・m(21.7kgf・m)
排気量の違いがあるので、もちろんパワーは変わりますが、ハイエースに関しては標準車両が2リッターエンジンですので、やはり少し非力に感じるでしょう。
また、燃費も少しだけキャラバンの方が良いですね。
ディーゼルエンジン
- ハイエース:106kW(144ps),300N・m(30.6kgf・m)
- キャラバン:95kW(129ps),356N・m(36.3kgf・m)
パワーではハイエースの方が勝っていますが、トルクはキャラバンの方が優位なため、走行時の走り出しや、重量物を積載した際の動力性能はキャラバンの勝ちですね。
ハイエースのガソリンとディーゼルの違いは「ハイエースのガソリンとディーゼルはどっちがお得?購入費用や買取についてご紹介」で詳しく解説しています。
ハイエースとキャラバンの装備の違い
それでは装備や機能はどうでしょうか?それぞれの長所をご紹介します。
ハイエース・スーパーGLの装備、機能紹介
まずは装備内容ですが、ハイエースの場合キャラバンと比べて優位な装備がこれといってありません。
しかし、取り回しの良さという点において、キャラバンの最小回転半径が5.2mなのに対して、ハイエースは5.0mと、より小回りが効くようになっています。
また、安全装備ではミリ波レーダーと単眼カメラを併せ持つことで、車両などの大きな障害物はもちろん、人や自転車なども検知できるようになっているので安心ですね。
キャラバンにはミリ波レーダーしか付いていませんので、安全装備に関してはハイエースに軍配が上がります。
キャラバン・プレミアムGXの装備紹介
キャラバンは、ハイエースの後発として出てきているだけあって、よく研究され優位につくられています。
中でも注目なのが、荷室の使い勝手を向上させる「ラゲッジユーティリティナット」です。
バーをネジで固定できる機能が全車に標準で装備されていますので、特に荷室を有効に活用したい場合には非常に便利な装備となっています。
また、インパネ下部にはペットボトル2本分のスペースでエアコンの冷風で保冷できる機能を持った収納が付いています。
仕事をした時に冷たい飲み物が飲めるのは本当に有難いですよね!こういった細かい部分まで考えられているのがキャラバンの長所でしょう。
ハイエースとキャラバンの悪路・雪道走破性の違い
仕事で、レジャーで、いつ何時も安全に走行しなければいけない箱バンは悪路や雪道の走破性も重要になってきます。
ハイエースとキャラバンの4WD性能の違いはどうでしょうか?
ハイエースの4WD性能
ハイエースはセンターデフ式のフルタイム4WDとなっています。特にドライバーが切り替える必要がなく、車が路面状況を判断して自動的に制御してくれます。
ハイエースではLSDがリヤにオプションで付けられるという点にも注目。肩輪が空転してしまうような状況でも、もう一つのタイヤさえ地面に接地していれば駆動力を路面に伝えることが出来るようになっています。
箱バンの中でも極めて走破性が高いと言えるでしょう。
キャラバンの4WD性能
2WDと4WDの駆動方式をドライバーが必要に応じて選択できるのがキャラバンの方式になります。
これにより、通常の路面で4WDが必要のないシチュエーションにおいては、燃費を重視させて2WDで走行し、ぬかるみや雪道などでは4WDに切り替えて駆動力をアップさせることができます。
しかし、肝心の4WD機能にはLSDを付ける事が出来ないので、ハイエースに比べると走破性という点においては劣ってしまいます。
ウィンタースポーツをする時に雪道を走行する際には、ハイエースの方が断然優れていると言えるでしょう。
ハイエースとキャラバンの価格の違い
それでは、売れ筋グレードでの価格の違いはどれくらいなのでしょうか?それぞれ人気のディーゼルエンジン車で比べてみました。
- ハイエース スーパーGL 2WD:3,628,900円
- ハイエース スーパーGL 4WD:3,939,100円
- キャラバン プレミアム GX 2WD:3,569,500円
- キャラバン プレミアム GX 4WD:3,883,000円
若干ですがキャラバンの方が価格が低く設定されていますね。
荷室も広く、装備も充実しているキャラバンですが、やはりトヨタのハイエース人気に対抗するためには価格で対抗せざるを得ないのでしょうか。
しかし、購入する時の値段が安いからといって必ずしもトータルで安いとは言えません。それは次にお話する内容が重要となってきます。
ハイエースとキャラバンの買取価格の違い
実は、ハイエースとキャラバンを検討する上で大きく違う点が「買取価格」です。車を購入してから、長く乗る人もいれば早く手放す人もいます。
共通しているのは、いつかは手放すということです。そのほとんどが、下取りに出したり買取に出したりして売却しますよね。
そんな時に少しでも高くで売れるほうがもちろん良いです。ではどちらが高くで売れるのか。
答えは「ハイエース」です。やはり一番の理由としては、「人気があるから」。
これに尽きるのですが、国内の人気だけでなく海外から人気が高い事が余計にハイエースの高額買取に拍車をかけています。
それは、トヨタが今まで世界で築きあげた「ブランド力」が大きく関係しており、カローラやランドクルーザーといった車両を筆頭に、「故障が少ない安心して乗れる車」という印象が強く、また実際に丈夫であることが評価を得ています。
実際の売却価格と見ていても、同じ年式、同じ走行距離で比較しても、20万円〜50万円も価格が違うことがあります。
大袈裟に思うかも知れませんが、ハイエースかキャラバンでもしも迷っているなら、絶対にハイエースをお勧めします。
ハイエースの買取価格は「ハイエース100系の買取相場はいくら?高価買取のために抑えておくべきこと」と「ハイエース200系の買取相場と高く売れる理由を解説」を参考にしてください。
ハイエースとキャラバンの違いと選び方のまとめ
ハイエースもキャラバンもほぼ同じ車に見えて、実は結構違う部分もある事がお分かりいただけたと思います。
エンジンで選ぶのか、機能面で選ぶのか、走破性で選ぶのか、リセールバリューで選ぶのか。どの部分にウェイトを置いて考えるかはアナタ次第ですが、今回の記事を参考にして、ぜひ後悔のない箱バンライフを楽しんで下さいね。
参考:https://toyota.jp/hiacevan/