次の車に乗り換えるため、環境が変わった、車を所有する必要がなくなったなど、愛車を手放す理由は人それぞれです。同じように、車を買取してもらう手段もそれぞれです。下取り査定、買取店持ち込み査定、出張査定、一括査定など査定の方法も多様化しています。
今回は、多様化する買取査定方法の中で主流の持ち込み査定と出張査定はどちらの方がお得なのか。買取額への影響はあるのかということに着目していきます。
出張査定と持ち込み査定は使い分けるが勝ち
ずばり、結論からいってしまえば、出張査定と持ち込み査定は使い分けることが必要です。その理由は、車を手放すタイミングや売却に対する意思、車の状態によって、それぞれに長所と短所があるからです。
出張査定と持ち込み査定を上手く使い分けるためのポイントは3つあります。
- 売却する時期およびタイミング
- 売却を即決できるかどうか
- 車が動くか動かないか
この3つのポイントによって出張査定の方が良いのか、持ち込み査定が良いのか変わってきます。では、出張査定と持ち込み査定それぞれの流れやメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
それぞれの査定方法を解説していく前に、もうひとつ気になるポイントである買取額への影響についてお話ししておきます。
買取額への影響
出張査定と持ち込み査定、どちらの方が高く売れるのか気になる方は多いのではないでしょうか。
実は、出張査定でも持ち込み査定でも、買取額は変わりません。買取額に差がない理由は、車種やグレードによっておおよその相場は決まっているからです。
むしろ持ち込み査定の方が、店舗に持ち込むために車を走らせ、タイヤを磨耗させ、燃料を消費するので結果的にマイナスになってしまう可能性すらあります。
出張査定は自宅・職場の駐車場など、場所を指定することができます。よって、燃料の消費やタイヤを減らすことなく査定を受けることができるので、マイナスになることが少ないといえるでしょう。
さらに、大手買取店は出張費用を無料としているところがほとんどであるため、出張費用を請求されることがありません。ただし、買取店によっては、出張費を請求する可能性もあるため、事前の問い合わせで出張費用請求の有無を確認するようにしましょう。
では、なぜ出張費用を無料にするのかと疑問に思う方もいるかもしれません。出張費用を無料にするのには2つの理由があります。
- 買取店が出張費用を請求すると出張査定の申し込みをしてもらえなくなる可能性がある
- 売買契約が成立したときに出張費用を差し引くと、結果的に買取額が下がってしまう
上記のような理由から、多くの買取店は出張費用を無料にしているのです。出張査定と持ち込み査定のどちらも買取額に影響がないことがわかったところで、出張査定と持ち込み査定の流れ・メリット・デメリットを解説していきます。
出張査定とは
出張査定とは、買取業者が自宅など指定場所まで来て査定をすることです。事前に査定をする日時や場所を連絡して、指定した場所で査定をしてもらうことができます。出張査定で来てもらえる場所は基本的にどこでも可能。自宅、職場など自身の都合に合わせることができます。
出張査定の流れ
出張査定は一般的に次のような流れになります。
- インターネットもしくは電話で査定の申し込み
- 出張査定の日時や場所を決める連絡
- 査定当日、指定場所にて査定・条件交渉
- 売買契約成立の場合、車両引き渡し(不動車の場合は後日積載車にて搬送)
- 書類の準備
- 入金
出張査定の場合、売買契約が成立すると即日車両引き渡しになるケースがほとんどです。(全ての買取業者が即日引き渡しとは限りません。)そのため、売却意思がしっかりとしていて、その日その場で車を渡しても良い場合、有効な査定方法といえるでしょう。また、出張査定を自宅で行い、その日その場で引き渡した場合、帰宅方法に困ることがありません。
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出張査定のメリット
出張査定のメリットは次の通りです。
- 車を持ち込む手間が省ける
- 日時や場所の指定ができる
- 即日引き渡しの場合、帰宅方法に困らない
- 数の業者に同時査定してもらえる
- 車検切れの車、不動車でも査定してもらえる
これらのメリットを詳しく見ていきましょう。
車を持ち込む手間が省ける
出張査定の場合、車を買取店の店舗に持ち込む必要がないため、家や職場にいながら査定してもらうことができます。
日時や場所の指定ができる
査定日時の希望を伝えると買取業者が都合を合わせてくれることがほとんどです。ただし、繁忙期(2月~3月)や査定予約がいっぱいの場合、都合が合いにくくなることもあります。余裕をもって査定予約をするようにしましょう。
また、査定場所を指定することができるため、自身の都合が良い場所に来てもらうことができます。
即日引き渡しの場合、帰宅方法に困らない
出張査定で契約が成立したとき、即日車両引き渡しになることがほとんどです。出張査定場所を自宅にしておけば、帰宅する手段に困ることがありません。
買取業者が即日車両引き渡しにこだわるのは、車両引き渡し日までに走行距離が伸びてしまったり、車にキズがついてしまうと、買取額が変わってしまうからです。この理由を上手く使えば、「今日、この場で引き渡すから、もう少し値上げしてほしい」といった交渉材料にもなります。
即日車両引き渡しができない場合は、引き渡し日を相談できますが、引き渡し日が遅くなってしまうと買取額が下がる可能性があります。
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複数の業者に同時査定してもらえる
同じ日、同じ時間、同じ場所で複数の買取業者に出張査定申し込みをしておけば、買取業者同士を競合させることができます。例えば、名刺の裏に買取金額を書いて一斉に提示してもらう方法であれぱ、ギリギリまで頑張った買取額を提示してもらえる可能性が高まります。
車検切れの車、不動車でも査定してもらえる
車検が切れてしまい公道を走行することができなくなってしまった車、ガレージに何年も眠っていてエンジンすらかからない不動車でも、出張査定なら対応してもらえます。これは、出張査定最大のメリットといえるでしょう。
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出張査定のデメリット
出張査定は良いことだらけのように見えますが、デメリットもあります。
- 契約するまで帰ってもらえない
- 出張費用を請求される
- 営業連絡がある
- 指定した日時に指定した場所にいなければならない
契約するまで帰ってもらえない
出張査定においてよくあることですが、契約するまで帰ってもらえない買取業者もいるようです。巧みな営業トークに流されないよう気を付けましょう。
出張費用を請求される
ごく稀に出張費用を請求する買取業者もあるようです。事前に出張費用を請求されないか確認するようにしましょう。
営業連絡がある
もし、出張査定した日に契約しなかった場合、日を改めて営業連絡がくることがあります。「売却する場合、こちらから連絡する」「事情が変わったからまだ売却しない」といった旨を伝えると、営業連絡が減ったりなくなったりします。
関連記事:車買取一括査定後の営業電話がしつこい!営業電話が多い時の対処法
指定した日時に指定した場所にいなければならない
予定は急に変わる可能性があるものです。しかし、日時や場所を指定してしまった以上、その日その場にいなければなりません。どうしても都合が悪くなってしまった場合は、速やかに連絡して予約変更もしくは一旦査定予約をキャンセルするようにしましょう。
持ち込み査定とは
持ち込み査定とは、自身で車を買取店に持ち込んで査定してもらうことです。次に乗る車を見るついでに査定してもらうことができるのは、持ち込み査定の有効活用方法です。
また、突然予定が空いてしまったときなど、買取店に立ち寄って査定してもらうことができるのは、持ち込み査定でなければできないことです。ただし、査定担当者が出張などで不在だった場合には、出直さなければなりません。
持ち込み査定の流れ
持ち込み査定は一般的に次のような流れになります。
- 買取店へ持ち込み(事前に持ち込む日時を伝えておくとスムーズ)
- 査定・条件交渉
- 売買契約成立の場合、車両引き渡し
- 書類の準備
- 入金
持ち込み査定の場合、突然の持ち込みにも対応してくれる場合があります。例えば、新車の下取り査定のあと、買取店に寄って査定してもらうことができます。
また、漠然と「そろそろ売ろうかな」と考えている段階であれば、持ち込み査定後「他の買取店と比較してみます」といった方法で一旦持ち帰ることも難しくないため、おおよその概算を知りたい場合には、持ち込み査定の方が有効といえるでしょう。
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持ち込み査定のメリット
持ち込み査定のメリットは次の通りです。
- 車の概算を知りたい場合
- 査定場所を用意しなくて良い
- 査定担当者がいればすぐに対応してもらえる
車の買取金額の概算を知りたい場合
先にも述べたように、自身が所有している車の概算を知りたい場合、出張査定のように買取業者を自宅などに招き入れることがないため、売却を保留にしやすいです。下取り金額との比較や他の買取店との比較をして、焦らず落ち着いて売却するか検討することができる点は、持ち込み査定のメリットです。
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査定場所を用意しなくて良い
自宅・職場の駐車場など査定するための場所を用意しなくて良いのもメリットのひとつ。特に機械式立体駐車場を車庫としている場合、査定場所の確保が難しいため、持ち込み査定の方が良いといえるでしょう。
査定担当者がいればすぐに対応してもらえる
買取店の店舗に持ち込んだ場合、査定担当者がいれば即時査定してもらうことができます。持ち込み査定だけでなく出張査定もしている買取店の場合、査定担当者が不在の可能性があります。買取店へ立ち寄る前に、査定担当者がいるかどうか確認しておくと良いでしょう。
持ち込み査定のデメリット
持ち込み査定のデメリットは次の通りです。
- 自身で車を持ち込む手間がかかる
- 査定担当者不在の可能性がある
- 複数業者との比較が難しい
- 契約成立後の帰宅手段
自身で車を持ち込む手間がかかる
買取店に自走で車を持ち込まなければなりません。近所に買取店があれば良いのですが、最寄りの買取店が遠方の場合は燃料代など交通費がかかってしまいます。
査定担当者不在の可能性がある
持ち込み査定のメリットでも触れたように、査定担当者が不在の可能性があります。特に繁忙期(2月~3月)や土日祝日の場合、査定担当者が不在であったり、買取店が込み合っている時には店舗で待たされたりすることがあります。
事前に持ち込み査定したい旨を連絡しておくことで、査定担当者が不在であったり、待たされたりすることなくスムーズに査定してもらうことができます。
複数業者との比較が難しい
持ち込み査定の場合、複数の買取業者との比較が難しくなります。複数の買取店へ持ち込むことも大変ですが、買取店を転々としている間にも走行距離が伸びてしまいます。走行距離は買取において重要な項目であるため、高い金額で買取してもらいたいのであれば、出張査定や車買取一括査定サイトを利用する方が賢い選択といえるでしょう。
契約成立後の帰宅手段
買取店への持ち込み査定で売買契約をして、車両を即日引き渡した場合、買取店から自宅までの帰宅手段に悩まされることがあります。即日車両引き渡しを買取契約の条件として提示されたときには、買取店から自宅までどのような手段で帰るのか考えておかなければなりません。
まとめ
出張査定と持ち込み査定は、それぞれにメリットとデメリットがあります。売却するタイミング、売却意思の強さ、すぐにでも買取してもらいたいのか、漠然と売却を検討しているのかで、出張査定と持ち込み査定を使い分けることが必要です。
どちらの査定方法であっても、買取査定額に大きな影響はないため、上手に使い分けて少しでも高い査定額で買取してもらうようにしましょう。